病院で薬剤師をしています。 仕事をしていて日々感じたことを記します。
どうやら来年の診療報酬改定では、DPC病院においては、

薬剤師が病棟常駐することで機能評価係数を上げることが決定しつつあるらしいことを聞いた。

とある関係筋から聞いた話。(もちろんまだ確定したわけではない)

今年7月には「DPC病院における薬剤師の病棟業務に関する実態調査」というものが

行われていたみたい。

私はもともとこの辺には明るくないもので今回調べて今頃知ったのだけど。

こういった調査結果に基づいて薬剤師の病棟常駐の重要性が評価されたのだろう。


当院の現状では、病棟に薬剤師が各病棟に2名配置しているものの、

一日中常駐しているわけではないため、今度の改定でこの評価係数が組み込まれた場合は

薬剤師の増員へ向けての足がかりとなることは間違いない。

増員できれば病棟業務をさらに充実展開させることができるし、

ぜひともこの係数は新設してほしいところ。

もちろん改定に際しては「常駐し○○の業務を行っていること」のように、

常駐するだけではダメで、何らかの条件付きではないかと推測されるが。


現状では確実に行えていなかったもので、薬剤師の病棟常駐により充実できそうな業務としては

持参薬管理の徹底、残数(飲み残し)の調整、配薬・服薬確認などがある。

これにより患者さんに対する貢献度向上はもちろんのこと、

薬の管理を徹底し無駄な処方をなくすことで病院経営にもメリットがある。

医師看護師からの薬剤に関する問合せの対応も速やかに行えるようになることで、

薬剤師の存在価値は向上する。

医師の指示もリアルタイムに受けることができるようになると、

患者の状況をタイムラグなく把握することにもつながり状況把握にかかる時間が少なくてすむし

処方に対する評価が速やかに行われ処方ミスを予防または初期段階でブロックできる

というメリットもあるだろう。


薬剤師の病棟常駐。これは今後の薬剤師業務の展開には不可欠なものだと思う。

国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部発行の、医薬品安全性情報Vol.7 No.23(2009/11/12)に、

米国における、シタグリプチン(DPP4阻害薬・[国内製品名ジャヌビア/グラクティブ])による

急性膵炎の報告が掲載されている。上記サイトより以下引用。

 FDAは,sitagliptin[‘Januvia’]およびsitagliptin / metformin[‘Janumet’]の添付文書を改訂し,上記医薬品の使用患者での急性膵炎の報告症例に関して,情報の追加を行っている。
 Sitagliptinは,ジペプチジルペプチダーゼ-4(DPP-4)阻害薬と呼ばれる新たなクラスの糖尿病薬として承認された最初の医薬品であり,2型糖尿病の成人における血糖コントロール改善のための食事療法および運動療法の補助を適応とする。
 FDAは2006年10月16日〜2009年2月9日に,sitagliptinの使用患者における急性膵炎の市販後症例88例(出血性や壊死性の膵炎2例を含む)の報告を受けた。FDAはこれらの報告にもとづき, sitagliptinおよびsitagliptin / metforminの製造業者との協力で添付文書に以下の事項を含めるよう改訂を行っている。
・ 重症型膵炎,出血性や壊死性の膵炎を含む急性膵炎の市販後報告に関する情報を追加する。
・ 医療従事者に対し,sitagliptinまたはsitagliptin / metforminの使用開始後や増量後は,膵炎の発現について患者を注意深くモニタリングし,これらの医薬品の使用中に膵炎の発現が疑われた場合は使用を中止するよう推奨する。
・ 膵炎の既往がある患者へのsitagliptinの使用については研究されていないことに言及した情報を追加する。したがって,膵炎の既往がある患者ではsitagliptinまたはsitagliptin / metforminの使用中に膵炎を発現するリスクが高いかは不明であり,これらの患者へのsitagliptinまたはsitagliptin / metforminの使用は慎重を期し,適切なモニタリングを行うよう勧告する。

引用:国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部発行 医薬品安全性情報Vol.7 No.23



服用者数は不明であるため発症頻度割合が分からないのであるが、

観察期間2年半弱の間に88例とは結構多い数字なのではないか。


ジャヌビア添付文書(メーカーHPより)を読んでみたけれども、今のところ急性膵炎の記載はどこにもない。

海外で報じられたものがそのまま国内でも当てはまるとは限らないけれども、

そのうち国内の添付文書も改定される可能性がある。

いずれにしてもこの副作用については注意しておかねばならないと思われる。

メーカーさんが来たら、添付文書が改定されるかどうか、

患者指導時に急性膵炎について説明すべきかなどについてたずねてみることにしよう。

クレアチニンクリアランスを推定するときの、Cockcroft-Gault式(コッククロフト・ゴールト式)で、

Creの値をそのまま入力するか+0.2で補正するのかで、薬局内でこんなやりとり。

(ちなみに、当院のCreは酵素法にて測定している。)

同僚:
「Dr.から腎機能の推定値を聞かれて、Creに補正(+0.2)を加えた値を答えたら、
Dr.『何それ?補正なんて聞いたことないよ?実際の医療現場ではそんなことやってないよ。
もしそれをしなさいという人がいるなら、話を聞くから私のところに言いに来て下さい』って怒られた。
だって、先輩から『補正するように』って言われていたからそれを言っただけなんだけど・・・。
cenoskyさんは、推定値を出すときにCreを補正をしているの?していないの?」

私:
「私はやってません。確かに補正すべきと言って、補正している先輩もいるけど・・。
その意見も分かるんだけど、0.2足す人もいれば足さない人もいるし、
0.2足す必要があるといっている人もいれば、不要という人もいる。
院内で統一されていないことが問題なんじゃないかなぁ。
だから、私は0.2を足さずに出しています。
それで大きな問題が起きたことないし、循環器の薬なんて、
補正なんてしていたら、多くの薬は過量投与になってしまいそうだ・・・。」

もともと、この0.2を補正する話が出てきたのは、

以前先輩方が、どこぞの大学病院に研修に行ったときに、

その施設では補正をしていたため当院でも補正を行おうと言い出したものであって、

それまではみんな補正なんて行わずに計算していた。

本来は、Cockcroft-Gault式(コッククロフト・ゴールト式)は

jaffe法で求めたCreに対応した計算式なので、

Creの値は+0.1〜+0.2を補正して計算すべきだ

というのが補正している人たちの言い分なのだろう。

だけど、その大学以外の他施設では補正を行ったりしているのか把握していないし、

私が実際にそこで聞いたわけではないので、その情報をいまひとつ信じがたい。

何かの聞き間違いかもしれないし・・・。


日本人腎臓学会が作成した、GFR推算式
     GFR=194 X Cr-1.094 X 年齢-0.287
                 X 0.739(女性の場合)
     (Cr:酵素法で測定した血清クレアチニン)

を最近EXCELで作って、同時にCockcroft-Gault式も算出されるようにして、

GFRとCcrの比較をしているのだけど、体重50kgの人の場合だと、

多くはGFR>(or≒)Ccrとなって、一般的に言われているGFR<Ccrとはならない。

これに0.2を加えて補正しようものなら、さらにCcrが低めにでてしまうことになり

腎機能を過小評価してしまいかねない。


ということで、「補正なんてしなくていい」というのが最近の私の見解。

まぁまだ満足のいく情報が得られていないので考えが変わるかもしれないが。


余談:

クラビットの添付文書に記載されている腎機能Ccr別に投与量が記載されているけど、

このCcrは酵素法のCreをそのままCockcroft-Gault式に入れて得られたものなので、

Creを補正なんてしてはダメです。


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