病院で薬剤師をしています。 仕事のこと、趣味のことなどきままに書いていきます。

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最近話題の調剤過誤事件の話はでなくて、下部消化管出血で入院になった症例。

持参薬にウブレチド5mg/日があったが、上記疾患にて絶食中。

絶食下でウブレチド再開の指示がでたが、「ウブレチドはなんか食事の影響があったような・・」と思い出し、

添付文書を確認。

添付文書 薬物動態の項

食事の影響
イヌにジスチグミン臭化物(0.02%w/v水溶液)として1.0mg/kgを、絶食時 又は給餌後に単回経口投与し、血漿中濃度を測定した際、絶食群は給餌群に比し、 Cmaxが約9.4倍、AUC0-24が約6.6倍高値であった。


との記載がある。

インタビューフォームにはもう少し詳しく記載されている。

その他の注意の項
動物実験において、絶食時の投与が給餌後の投与と比較してCmax 及びAUC の大幅な上昇が認められている。ヒトでの薬物動態についての詳細は不明であるが、食事の有無によって血中濃度等が変化する可能性がある。
特に、普段食後に服用している患者が空腹時に服用した場合、本剤の血中濃度が通常より高くなる可能性があるので、以下の様な場合には、特に観察を十分に行うこと。
例1) 普段食後に服用している患者が、検査入院等の前夜に絶食による空腹時に服用する場合。
例2) 病状の変化等で、投与経路と共に服薬時刻を変更する場合。例えば経口投与から胃瘻による経管投与へ変更する場合。


ウブレチド錠 医薬品の「使用上の注意」の解説 (メーカー作成PDF)にはコリン作動性クリーゼを生じた症例の投与量について次のように言及されている。

副作用発現時投与量別の副作用症例数および推定副作用発現率
2004 年 4 月~2009 年 12 月におけるコリン作動性副作用(国内自発報告)を基に集計した結果、コリン作動性クリーゼの発現は投与量に依存して増加する傾向にあり、また、コリン作動性クリーゼにより死亡に至った症例の 1 日投与量はいずれも 10~15mg で、1 日 5mg 投与での死亡症例の発現は認められませんでした。


すでに5mg/日服用中の方が空腹時に服用することは、本剤の血中濃度が通常より高くなる可能性があり、

コリン作動性クリーゼを生じる危険性も高くなるものと考えられる。

ということで、主治医へ連絡。

私「動物でのデータしかありませんが、絶食下での服用はAUCが増加し副作用を生じる可能性あります。
  しばらく服用せずに排尿状況をみて、悪化するようなら少量から再開してはどうでしょうか?」

医師「そうですねぇ、ユリーフも飲んでいますし今すぐ絶対に必要な薬というわけでもなさそうですから、そうしましょう。」


結局のところは、ウブレチド中止のまま経過観察することになった。


さて、余談だけど、この食事の影響に関して突っ込みどころが3つ。

まず一つ目は、添付文書の用法用量には、「ジスチグミン臭化物として、成人1日5mgを経口投与する。」

と記載されており、食前後の記載が一切なされていない。

メーカーとしては食後服用を推奨しているらしいが、それでは整合性がとれないのではないかと。

メーカーは適正な服用時間の指針を明確に示すべきだろう。


二つ目は、食事による吸収の違いについては、動物でのデータしかなく、

ヒトに投与する際の判断材料としては説得力に欠けるものがある。

せっかくならヒトで実験してくれないかな?

健常人数名集めて血中濃度測ればこれは重要なデータになると思う。

仮にヒトでも食事の影響が証明されたなら、

「空腹時服用は避けること」などの注意喚起によりコリン作動性クリーゼを防止する一策にもなりうる。

論文もかけるのでは?だれか調べてくれる人いないかな?私が被験者になってもいいけど。


三つ目は、海外(英)の用法用量は、朝食前服用になっている。

外人は体がデカいから大丈夫なのか?

参考サイトEMC(electronic Medicines Compendium)(UK)

Ubretid(distigmine bromide)
method of administration
Adults
In prevention of urinary retention, ileus or intestinal atony following surgery:
One Ubretid tablet daily, half an hour before breakfast.




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日病薬のサイトに出ていた記事

「日本病院団体協議会は次回診療報酬改定で薬剤師の病棟専任配置を要望」

 7.チーム医療の重要性が論じられているが、各病棟においては既に様々なチーム医療が行われている。そのため、薬剤師・リハスタッフ・管理栄養士・社会福祉士・臨床工学技士・精神保健福祉士、等の病棟配置に対する加算評価を要望する。その場合、療養病床や精神病床等、急性期以外の病棟に対しても適切な評価を行うとともに、効率的な病院運営の観点から、専従ではなくチームの一員として専任配置とすることを要望する。


当院では各病棟に薬剤師を配置しているが、全病棟に配置しているわけではないし

日中勤務時間すべての時間にいるわけでもない。

だいたい日中業務の半分以上は病棟の業務ではあるけれど。

次の改定でどのようになるかはまだ不明だけれど、「専任」となるとうちの場合、

今以上に、病棟業務時間が長くならないとだめなんだろう。

ところで、「専従」の意味はわかるにしても、「専任」とはどの程度その業務に専念すればよいのか?

いくつか調べてはみたものの、明確な割合というのはないらしい。

そんな適当な・・・。


もう一つ疑問なのは、ある一人の薬剤師が専任で病棟担当になったとしても、

その薬剤師も夜勤があったり平日の代休があったりすると、

その担当病棟に薬剤師不在の穴が生じるわけで、実質は専任薬剤師の代わりの薬剤師を充てなければならない。

ということで、

「病棟業務専任の薬剤師を配置すること」

という専任の定義があいまいな基準よりも、

「(専任かどうかは問わないが)薬剤師がある定められた時間以上病棟に配置されていること」

という基準にし、薬剤師が病棟で活動する時間の割合で加点に差をつけたほうが分かりやすいと思う。


いずれにしても、薬剤師の病棟配置に対する加算がついたとなれば、

経営側にとっても薬剤師を配置しようと積極的になるだろうし、

薬剤師側にとっても経営側に病棟配置を要望したり増員を要望する際のカードとなりうる。
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