クレアチニンクリアランスを推定するのに、コッククロフト・ゴールト式が汎用されているが、
ご存知のように、算出するには、電卓が要りそうなくらいちょっとめんどくさい式である。
前々から、
「これをなんとか暗算でできるようにならないかなぁ」
「ある程度の概算がすぐに分かると投与量の調節が必要かどうかが分かる」
と思っていたのだけど、いくつかのキーポイントを覚えておけば、
意外に簡単におおよその値が求められることがわかった。
あくまでおおよその値であり正確な値ではないのだけど。そのポイントは以下のような感じ。
Cockcroft-Gault式
推定CCr=(140-age)×BW/72/Cre (男性は×1、女性は×0.85)
①まず目をつけた条件が、「男性、age:68歳、Cre:1.0」の場合。
これだと、CCr=BWとなる。これがミソで、ここを基準の値として考えた。
②人によって四則演算に得意不得意があると思うのだけど、
私は割り算はすぐにできなくて、掛け算は得意だから(だいたいみんなそうか?)、
割り算を掛け算に変換すると計算が簡単になると考えた。
1/Creを掛け算になおすとどうなるかというと・・・
【Cre】 【1/Cre】 【誤差】
Cre=0.5 ⇒ ×2 誤差なし
Cre=0.6 ⇒ ×1.6 誤差-4%
Cre=0.7 ⇒ ×1.4 誤差-2%
Cre=0.8 ⇒ ×1.2 誤差-4%
Cre=0.9 ⇒ ×1.1 誤差-1%
Cre=1.0 ⇒ ×1 誤差なし
Cre=1.1 ⇒ ×0.9 誤差-1%
Cre=1.2 ⇒ ×0.8 誤差-4%
Cre=1.3 ⇒ ×0.8 誤差+4%
Cre=1.4 ⇒ ×0.7 誤差-2%
Cre=1.5 ⇒ ×0.66 誤差1%
Cre=1.6 ⇒ ×0.6 誤差-4%
Cre=1.7 ⇒ ×0.6 誤差+2%
Cre=1.8 ⇒ ×0.55 誤差-1%
Cre=1.9 ⇒ ×0.5 誤差-5%
Cre=2.0 ⇒ ×0.5 誤差なし
Cre=2.1 ⇒ ×0.5 誤差+5%
Cre=2.2 ⇒ ×0.44 誤差-3%
Cre=2.3 ⇒ ×0.44 誤差+1%
Cre=2.4 ⇒ ×0.4 誤差4%
Cre=2.5 ⇒ ×0.4 誤差なし
③次に(140-age)/72 の部分に目をつけると、先に記したようにage=68でちょうど1となって、
7.2歳ずつ年が若い毎(又は年をとる毎)に0.1ずつ掛け足して(引いて)いけばいいことになる。
まぁ7.2歳ってのは7歳ずつで簡素化すると・・・
【age】 【(140-age)/72】
age=47 ⇒ 1.3
age=54 ⇒ 1.2
age=61 ⇒ 1.1
age=68 ⇒ 1.0
age=75 ⇒ 0.9
age=82 ⇒ 0.8
age=89 ⇒ 0.7
(もちろん、ここでも若干の誤差が生じます。)
あとは、これを覚えて(覚えなくてもすぐに思い出せるけど)、掛け算をするだけ。
例) 男性、age:75歳、Cre:1.3、BW:54kgの場合
推定CCr≒(140-age)×BW/72/Cre
=BW×[1/Cre]×[(140-75)/72]
=54×0.8×0.9
=38.8mL/min
正確な式で計算すると、37.5mL/minとなり、誤差は、+3.4%となる。
まぁ、この掛け算を簡単と思うか難しいと思うかは、これまた個人差があるのだろうけど、
私は、多少の誤差も許容しながらの計算には慣れているので、さほど難しいとは思わない。
この概算方法を思いついてからは、
まず①体重を見たあとに、②年齢が68より上か下かと、
③クレアチニンが1を超えているかいないかを見ることで、
CCrの数値が、体重の数値よりも大きいか小さいかは簡単に判断できるようになってきた。
もちろん、電卓などを用いることができる状況であれば、正確に算出するべきであるが、
この暗算は、「電卓はないけど、概算値をすぐに出したいとき」には使えるのではないかと思う。
腎機能別薬剤使用マニュアル
腎不全と薬の使い方Q&A―腎不全時の薬物投与一覧
関連記事
病院薬剤師の仕事 Cockcroft-Gault式のCreは補正すべきか? 2009/11/12
ご存知のように、算出するには、電卓が要りそうなくらいちょっとめんどくさい式である。
前々から、
「これをなんとか暗算でできるようにならないかなぁ」
「ある程度の概算がすぐに分かると投与量の調節が必要かどうかが分かる」
と思っていたのだけど、いくつかのキーポイントを覚えておけば、
意外に簡単におおよその値が求められることがわかった。
あくまでおおよその値であり正確な値ではないのだけど。そのポイントは以下のような感じ。
Cockcroft-Gault式
推定CCr=(140-age)×BW/72/Cre (男性は×1、女性は×0.85)
①まず目をつけた条件が、「男性、age:68歳、Cre:1.0」の場合。
これだと、CCr=BWとなる。これがミソで、ここを基準の値として考えた。
②人によって四則演算に得意不得意があると思うのだけど、
私は割り算はすぐにできなくて、掛け算は得意だから(だいたいみんなそうか?)、
割り算を掛け算に変換すると計算が簡単になると考えた。
1/Creを掛け算になおすとどうなるかというと・・・
【Cre】 【1/Cre】 【誤差】
Cre=0.5 ⇒ ×2 誤差なし
Cre=0.6 ⇒ ×1.6 誤差-4%
Cre=0.7 ⇒ ×1.4 誤差-2%
Cre=0.8 ⇒ ×1.2 誤差-4%
Cre=0.9 ⇒ ×1.1 誤差-1%
Cre=1.0 ⇒ ×1 誤差なし
Cre=1.1 ⇒ ×0.9 誤差-1%
Cre=1.2 ⇒ ×0.8 誤差-4%
Cre=1.3 ⇒ ×0.8 誤差+4%
Cre=1.4 ⇒ ×0.7 誤差-2%
Cre=1.5 ⇒ ×0.66 誤差1%
Cre=1.6 ⇒ ×0.6 誤差-4%
Cre=1.7 ⇒ ×0.6 誤差+2%
Cre=1.8 ⇒ ×0.55 誤差-1%
Cre=1.9 ⇒ ×0.5 誤差-5%
Cre=2.0 ⇒ ×0.5 誤差なし
Cre=2.1 ⇒ ×0.5 誤差+5%
Cre=2.2 ⇒ ×0.44 誤差-3%
Cre=2.3 ⇒ ×0.44 誤差+1%
Cre=2.4 ⇒ ×0.4 誤差4%
Cre=2.5 ⇒ ×0.4 誤差なし
③次に(140-age)/72 の部分に目をつけると、先に記したようにage=68でちょうど1となって、
7.2歳ずつ年が若い毎(又は年をとる毎)に0.1ずつ掛け足して(引いて)いけばいいことになる。
まぁ7.2歳ってのは7歳ずつで簡素化すると・・・
【age】 【(140-age)/72】
age=47 ⇒ 1.3
age=54 ⇒ 1.2
age=61 ⇒ 1.1
age=68 ⇒ 1.0
age=75 ⇒ 0.9
age=82 ⇒ 0.8
age=89 ⇒ 0.7
(もちろん、ここでも若干の誤差が生じます。)
あとは、これを覚えて(覚えなくてもすぐに思い出せるけど)、掛け算をするだけ。
例) 男性、age:75歳、Cre:1.3、BW:54kgの場合
推定CCr≒(140-age)×BW/72/Cre
=BW×[1/Cre]×[(140-75)/72]
=54×0.8×0.9
=38.8mL/min
正確な式で計算すると、37.5mL/minとなり、誤差は、+3.4%となる。
まぁ、この掛け算を簡単と思うか難しいと思うかは、これまた個人差があるのだろうけど、
私は、多少の誤差も許容しながらの計算には慣れているので、さほど難しいとは思わない。
この概算方法を思いついてからは、
まず①体重を見たあとに、②年齢が68より上か下かと、
③クレアチニンが1を超えているかいないかを見ることで、
CCrの数値が、体重の数値よりも大きいか小さいかは簡単に判断できるようになってきた。
もちろん、電卓などを用いることができる状況であれば、正確に算出するべきであるが、
この暗算は、「電卓はないけど、概算値をすぐに出したいとき」には使えるのではないかと思う。
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この記事へのコメント
前は院内端末の中にexcelでつくってCockcroftやeGFRやら体表面積やら計算していたんですが、今はいつも白衣にiPhone入れているんで専用アプリ使ってます。
先日「欲しくなっちゃった」ってドクターが機種変してました。その人からは薬の問い合わせよりiPhoneの問い合わせが多いかも!?
先日「欲しくなっちゃった」ってドクターが機種変してました。その人からは薬の問い合わせよりiPhoneの問い合わせが多いかも!?
2009/10/10(土) 08:32 | URL | dora #-[ 編集]
iphoneでそんなのがあるのですか・・。それで機種変するとは・・すごいですねぇ。
>院内端末の中にexcelでつくってCockcroftやeGFRやら体表面積やら計算していた
当院でも、同じように端末で計算できるようになっているんですよ。
なので、カルテに記載するときは、ここで計算してから正確なものを記載しています。
今回の記事の計算は、じゃぁいったい何のために?って思われるかもしれませんね。
他の薬剤師さんと腎機能の話になって、「クリアランスはこのくらいかな」って言うと
「暗算したの?すごいねぇ」って言われます。
まぁ、「暗算できるすごいヤツ」と思われるためだけのツールですかねぇ(笑)
あとは、脳ミソ腐らせないためとか?
最近は、実際に計算するために各パラメータを見るときに、同時に暗算をしまして、
本当の計算値とどのくらい乖離しているか見ているのですが、
1~3くらいのずれで納まっています。
>院内端末の中にexcelでつくってCockcroftやeGFRやら体表面積やら計算していた
当院でも、同じように端末で計算できるようになっているんですよ。
なので、カルテに記載するときは、ここで計算してから正確なものを記載しています。
今回の記事の計算は、じゃぁいったい何のために?って思われるかもしれませんね。
他の薬剤師さんと腎機能の話になって、「クリアランスはこのくらいかな」って言うと
「暗算したの?すごいねぇ」って言われます。
まぁ、「暗算できるすごいヤツ」と思われるためだけのツールですかねぇ(笑)
あとは、脳ミソ腐らせないためとか?
最近は、実際に計算するために各パラメータを見るときに、同時に暗算をしまして、
本当の計算値とどのくらい乖離しているか見ているのですが、
1~3くらいのずれで納まっています。
2009/10/10(土) 08:58 | URL | cenosky #mSbSW7Ec[ 編集]
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