クレアチニンクリアランスを推定するときの、Cockcroft-Gault式(コッククロフト・ゴールト式)で、
Creの値をそのまま入力するか+0.2で補正するのかで、薬局内でこんなやりとり。
(ちなみに、当院のCreは酵素法にて測定している。)
同僚:
「Dr.から腎機能の推定値を聞かれて、Creに補正(+0.2)を加えた値を答えたら、
Dr.『何それ?補正なんて聞いたことないよ?実際の医療現場ではそんなことやってないよ。
もしそれをしなさいという人がいるなら、話を聞くから私のところに言いに来て下さい』って怒られた。
だって、先輩から『補正するように』って言われていたからそれを言っただけなんだけど・・・。
cenoskyさんは、推定値を出すときにCreを補正をしているの?していないの?」
私:
「私はやってません。確かに補正すべきと言って、補正している先輩もいるけど・・。
その意見も分かるんだけど、0.2足す人もいれば足さない人もいるし、
0.2足す必要があるといっている人もいれば、不要という人もいる。
院内で統一されていないことが問題なんじゃないかなぁ。
だから、私は0.2を足さずに出しています。
それで大きな問題が起きたことないし、循環器の薬なんて、
補正なんてしていたら、多くの薬は過量投与になってしまいそうだ・・・。」
もともと、この0.2を補正する話が出てきたのは、
以前先輩方が、どこぞの大学病院に研修に行ったときに、
その施設では補正をしていたため当院でも補正を行おうと言い出したものであって、
それまではみんな補正なんて行わずに計算していた。
本来は、Cockcroft-Gault式(コッククロフト・ゴールト式)は
jaffe法で求めたCreに対応した計算式なので、
Creの値は+0.1~+0.2を補正して計算すべきだ
というのが補正している人たちの言い分なのだろう。
だけど、その大学以外の他施設では補正を行ったりしているのか把握していないし、
私が実際にそこで聞いたわけではないので、その情報をいまひとつ信じがたい。
何かの聞き間違いかもしれないし・・・。
日本人腎臓学会が作成した、GFR推算式
GFR=194 X Cr-1.094 X 年齢-0.287
X 0.739(女性の場合)
(Cr:酵素法で測定した血清クレアチニン)
を最近EXCELで作って、同時にCockcroft-Gault式も算出されるようにして、
GFRとCcrの比較をしているのだけど、体重50kgの人の場合だと、
多くはGFR>(or≒)Ccrとなって、一般的に言われているGFR<Ccrとはならない。
これに0.2を加えて補正しようものなら、さらにCcrが低めにでてしまうことになり
腎機能を過小評価してしまいかねない。
ということで、「補正なんてしなくていい」というのが最近の私の見解。
まぁまだ満足のいく情報が得られていないので考えが変わるかもしれないが。
余談:
クラビットの添付文書に記載されている腎機能Ccr別に投与量が記載されているけど、
このCcrは酵素法のCreをそのままCockcroft-Gault式に入れて得られたものなので、
Creを補正なんてしてはダメです。
腎機能別薬剤使用マニュアル
腎不全と薬の使い方Q&A―腎不全時の薬物投与一覧
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病院薬剤師の仕事 Cockcroft-Gault式(コッククロフト・ゴールト式)をアバウトに暗算する 2009/10/7
Creの値をそのまま入力するか+0.2で補正するのかで、薬局内でこんなやりとり。
(ちなみに、当院のCreは酵素法にて測定している。)
同僚:
「Dr.から腎機能の推定値を聞かれて、Creに補正(+0.2)を加えた値を答えたら、
Dr.『何それ?補正なんて聞いたことないよ?実際の医療現場ではそんなことやってないよ。
もしそれをしなさいという人がいるなら、話を聞くから私のところに言いに来て下さい』って怒られた。
だって、先輩から『補正するように』って言われていたからそれを言っただけなんだけど・・・。
cenoskyさんは、推定値を出すときにCreを補正をしているの?していないの?」
私:
「私はやってません。確かに補正すべきと言って、補正している先輩もいるけど・・。
その意見も分かるんだけど、0.2足す人もいれば足さない人もいるし、
0.2足す必要があるといっている人もいれば、不要という人もいる。
院内で統一されていないことが問題なんじゃないかなぁ。
だから、私は0.2を足さずに出しています。
それで大きな問題が起きたことないし、循環器の薬なんて、
補正なんてしていたら、多くの薬は過量投与になってしまいそうだ・・・。」
もともと、この0.2を補正する話が出てきたのは、
以前先輩方が、どこぞの大学病院に研修に行ったときに、
その施設では補正をしていたため当院でも補正を行おうと言い出したものであって、
それまではみんな補正なんて行わずに計算していた。
本来は、Cockcroft-Gault式(コッククロフト・ゴールト式)は
jaffe法で求めたCreに対応した計算式なので、
Creの値は+0.1~+0.2を補正して計算すべきだ
というのが補正している人たちの言い分なのだろう。
だけど、その大学以外の他施設では補正を行ったりしているのか把握していないし、
私が実際にそこで聞いたわけではないので、その情報をいまひとつ信じがたい。
何かの聞き間違いかもしれないし・・・。
日本人腎臓学会が作成した、GFR推算式
GFR=194 X Cr-1.094 X 年齢-0.287
X 0.739(女性の場合)
(Cr:酵素法で測定した血清クレアチニン)
を最近EXCELで作って、同時にCockcroft-Gault式も算出されるようにして、
GFRとCcrの比較をしているのだけど、体重50kgの人の場合だと、
多くはGFR>(or≒)Ccrとなって、一般的に言われているGFR<Ccrとはならない。
これに0.2を加えて補正しようものなら、さらにCcrが低めにでてしまうことになり
腎機能を過小評価してしまいかねない。
ということで、「補正なんてしなくていい」というのが最近の私の見解。
まぁまだ満足のいく情報が得られていないので考えが変わるかもしれないが。
余談:
クラビットの添付文書に記載されている腎機能Ccr別に投与量が記載されているけど、
このCcrは酵素法のCreをそのままCockcroft-Gault式に入れて得られたものなので、
Creを補正なんてしてはダメです。
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この記事へのコメント
書き込みしたくても禁止キーワードで引っかかるですが
何が問題なんでしょうか?
何が問題なんでしょうか?
2009/11/12(木) 21:30 | URL | dora #-[ 編集]
特に私の方では禁止ワードの設定をしていないのですが、FC2の「おまかせ禁止ワードフィルタ」ってのがONになっていたので、それを切ってみました。これでどうでしょうか?あと、全文が100%英字ですとスパムと判断されます。
コメントお待ちしております。ダメでしたらお手数ですが、またご連絡ください。
コメントお待ちしております。ダメでしたらお手数ですが、またご連絡ください。
2009/11/13(金) 09:15 | URL | cenosky #mSbSW7Ec[ 編集]
手持ちの資料には「(文献2)の南らはScrを若干高め(+0.2mg/dL)に補正するとよいと指摘している)」とあり、
(文献2)G97-0632 J.Natl>Cancer Inst.89(13):958-70,1997
だそうです
(文献2)G97-0632 J.Natl>Cancer Inst.89(13):958-70,1997
だそうです
2011/10/04(火) 17:41 | URL | #-[ 編集]
原著みっけました。参考まで。
http://jnci.oxfordjournals.org/content/89/13/968.full
http://jnci.oxfordjournals.org/content/89/13/968.full
2011/10/04(火) 17:47 | URL | #-[ 編集]
>原著みっけました。参考まで。
コメント、原著添付ありがとうございます。
この論文についてですが、次のように解釈しています。間違っていたらすみません。
この原著の論旨は、
「カルボプラチンの投与量をカルバート式から求める際、
本来のカルバート式は「GFR」を入力するとなっているが、
クレアチニンクリアランス(コッククロフトゴールト式で得られた)で代入しようとしたら、
通常はGFR<Ccrとなるから、Creを0.2足して補正しないとダメだよ、
Creに0.2足せば、だいたい Ccr(コッククロフトゴールト式)≒GFR になるから使えるよ」
っていう主張だと思います。
この論文において、Creを補正することが適用されるのは、
「カルボプラチンの投与量を、GFRではなくCcrから求める場合」
のみであると解釈しています。
カルボプラチンの投与量を求める際に、酵素法で得られたCreの値を補正することに対しては
私も異論はありません。
もともとの式がGFRとなっていますから、酵素法で得られたCcrを入力すると
投与量が多めになってしまうのは想像できます。
しかし、私がこの記事で書きたかったことは、「クレアチニンクリアランスを求めるのに、
なんでもかんでもCreの値を+0.2して算出するのはおかしいのではないか」ということです。
実際に、近年国内市場に出てきた薬剤の添付文書やインタビューフォームを見ると、
コッククロフトゴールト式で得られたクレアチニンクリアランスをもとに投与量を
設定しているものがあります。この場合GFRとは記載されていません。
(たとえば、記事に書いたクラビット錠250、500もそうです。)
この場合のクレアチニンクリアランスは、酵素法で得られたCreの値を入力して算出しているはず
(いまどき国内でヤッフェ法は使われていないでしょう)ですから、
これらの薬剤の腎機能に応じた投与量を求める際には、Creの補正なんてしてはならないことになります。
ずっと以前から存在する薬ならば、それはヤッフェ法で得られたCreからのCcrが
記載されているのかもしれませんから、現在の酵素法Creの値を補正して算出する必要があるのかもしれませんね。
コメント、原著添付ありがとうございます。
この論文についてですが、次のように解釈しています。間違っていたらすみません。
この原著の論旨は、
「カルボプラチンの投与量をカルバート式から求める際、
本来のカルバート式は「GFR」を入力するとなっているが、
クレアチニンクリアランス(コッククロフトゴールト式で得られた)で代入しようとしたら、
通常はGFR<Ccrとなるから、Creを0.2足して補正しないとダメだよ、
Creに0.2足せば、だいたい Ccr(コッククロフトゴールト式)≒GFR になるから使えるよ」
っていう主張だと思います。
この論文において、Creを補正することが適用されるのは、
「カルボプラチンの投与量を、GFRではなくCcrから求める場合」
のみであると解釈しています。
カルボプラチンの投与量を求める際に、酵素法で得られたCreの値を補正することに対しては
私も異論はありません。
もともとの式がGFRとなっていますから、酵素法で得られたCcrを入力すると
投与量が多めになってしまうのは想像できます。
しかし、私がこの記事で書きたかったことは、「クレアチニンクリアランスを求めるのに、
なんでもかんでもCreの値を+0.2して算出するのはおかしいのではないか」ということです。
実際に、近年国内市場に出てきた薬剤の添付文書やインタビューフォームを見ると、
コッククロフトゴールト式で得られたクレアチニンクリアランスをもとに投与量を
設定しているものがあります。この場合GFRとは記載されていません。
(たとえば、記事に書いたクラビット錠250、500もそうです。)
この場合のクレアチニンクリアランスは、酵素法で得られたCreの値を入力して算出しているはず
(いまどき国内でヤッフェ法は使われていないでしょう)ですから、
これらの薬剤の腎機能に応じた投与量を求める際には、Creの補正なんてしてはならないことになります。
ずっと以前から存在する薬ならば、それはヤッフェ法で得られたCreからのCcrが
記載されているのかもしれませんから、現在の酵素法Creの値を補正して算出する必要があるのかもしれませんね。
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