小柴胡湯と間質性肺炎

ここでは、「小柴胡湯と間質性肺炎」 に関する記事を紹介しています。
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
いまさらこの記事ってのは古いんだろうけど、先日こんな経験をした。

これも一応プレアボイドっていうのかなぁ、微妙。


肝硬変精査加療目的の紹介入院。持参薬を確認すると小柴胡湯と桂枝茯苓丸。

両方とも、何年も前から肝臓の薬としてもらっていたらしい。

??うろ覚えの状態ながら、「小柴胡湯はたしか肝臓が悪いとまずいのでは?」と思い調べてみると、

禁忌には次のように記載されている。

禁忌
(次の患者には投与しないこと)
1. インターフェロン製剤を投与中の患者(「相互作用」の項参照)
2. 肝硬変、肝癌の患者[間質性肺炎が起こり、死亡等の重篤な転帰に至ることがある。]
3. 慢性肝炎における肝機能障害で血小板数が10万/mm3以下の患者[肝硬変が疑われる。]

また適応は、
慢性肝炎における肝機能障害の改善


であり肝硬変の状態ではもはや禁忌だった。

肝臓内科の主治医に、小柴胡湯は肝硬変には禁忌であることを確認すると、

「え?なんで?どんな理由?」との返答で禁忌であることを知らなかった。

結局小柴胡湯は中止となった。



この肝硬変に対して禁忌であることの理由としては、次の資料に記載されている。

以下、「医薬品・医療用具等安全性情報 No.158」 より引用

小柴胡湯の間質性肺炎については,これまで数度にわたり継続的に注意喚起を行ってきたがその後平成10年以降も本剤と関連性が否定できない間質性肺炎が50例(うち死亡例8例)報告されている。肝硬変又は肝癌のある患者に使用されて重篤な転帰をたどる例が多いことから,これらの患者への使用を禁忌とするなど,注意を喚起することとした。

1)経緯
 小柴胡湯による間質性肺炎の副作用については,平成3年4月に使用上の注意の「副作用」の項に記載し,平成4年12月には更に「一般的注意」に記載した。また,インターフェロンと小柴胡湯の併用例でも間質性肺炎が報告されたことから,平成6年1月にはインターフェロンとの併用が禁忌とされた。しかし,平成6年1月の使用上の注意の
改訂以降も,平成8年3月に「慢性肝炎における肝機能障害の改善の目的で投与された患者で間質性肺炎が起こり,重篤な転帰に至ることがある。」旨の記載の「警告」を新設し,「緊急安全性情報」の発出を指示し,更に平成9年12月には発熱,咳嗽,呼吸困難,肺音の異常(捻髪音),胸部X線の異常等があらわれた場合には,直ちに投与を
中止すること,及び患者への注意を徹底することを「警告」に記載し継続的に注意喚起を行ってきた。しかしながら,平成9年12月の「警告」の改訂以降も本剤の投与との関連性が否定できない間質性肺炎が50例(うち死亡例が8例)報告され,肝硬変又は肝癌のある患者に使用されて重篤な転帰をとる例が多いことから,これらの患者及び肝硬
変が疑われる「血小板数10万/mm3以下の患者」を禁忌とするなどの「使用上の注意」の改訂を行った。

(2)症例の紹介
 平成9年12月「警告」の改訂以降報告された50例については,男性34例,女性16例,年齢は40歳代から80歳代(平均66.5歳),投与期間は8日から202日(平均50日)で,発症から中止までの期間は平均3日以内であった。転帰については改善が42例,死亡が8例であった。報告例について,患者の疾患名と報告例数を表1に示す。死亡の転帰を
とった例は肝癌のある患者では4例中3例,肝硬変では7例中2例,慢性肝炎では24例中2例(C型1例,不明1例),肝機能障害では7例中1例であった。また,肝硬変の患者で重篤化した症例は,発症前の血小板数が10万/mm3以下であった。

(3)安全対策
1)肝硬変又は肝癌の患者に使用して発現した間質性肺炎が重篤化した症例が多いことから,これらの患者には投与しないこととし,また,肝硬変の患者で重篤化した症例では血小板数が10万/mm3以下であったことから,血小板数が10万/mm3以下の患者には投与しないこととする。更に,肝硬変に移行している可能性のある血小板数15万/mm3以下の患者を慎重投与とし,小柴胡湯を投与中は,定期的に血液検査を行い血小板数の変化に注意し,血小板数の減少が認められた場合には,投与を中止することとする。



上記2)の症例の紹介にも記載されている通り、間質性肺炎発症までの投与期間は「8日から202日(平均50日)」であり今回私が経験した症例のように、現在肝硬変状態であるが何年も前から服用している場合の危険性については記されていない。

もう何年も飲んでいるから服用継続は問題ないという考えがあってもいいのかもしれない。

だけど、「もう何年も飲んでいて問題ない」≠「今後も問題なく服用できる」であって、禁忌となっている以上服用を中止する必要がある。


今回入院することで小柴胡湯は中止となったわけだけど、

もともと本剤を処方していた医師は、当院の医師のように禁忌であることを知らなかったのか、

それとも禁忌であることを知りながらも何らかの根拠があって処方していたのか、その辺を聞いてみたいところ。
関連記事
この記事へのコメント
更新がんばってください♪応援ぽち^^
2010/05/14(金) 18:49 | URL | ぴんこ #wfxeNzK2[ 編集]
更新がんばってください♪応援ぽち^^
2010/05/15(土) 16:19 | URL | gaga #N/g7zSck[ 編集]
漢方を考えるときには慎重にすべきでは?

この処方医が漢方の専門医であれば・・・・・。難しいのでは?

漢方の隋症治療は難しいですね!
名古屋には市立大学薬学部に牧野先生がいますね!
2010/05/23(日) 09:06 | URL | 薬屋 #-[ 編集]
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
 | Copyright © 病院薬剤師の仕事 All rights reserved. | 
Template by 無料ブログ テンプレート カスタマイズ無料ブログ比較・評価

当サイトは、当サイト上の記載内容に関し、いかなる保証をするものでもありません。万一当サイト上の記載内容に誤りおよび記載内容に基づいて被った被害については、当サイトは一切責任を負いかねます。
当サイトの全ての無断転載・複製を禁止します。
当サイトはリンクフリーです。相互リンク(医療系サイトに限定)をご希望の際はコメントください。

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。