ファルモルビシン注の溶解液の謎

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ファルモルビシン注の添付文書を見ていて、溶解液が適応によって違うことに気付いた。

膀胱癌(表在性膀胱癌に限る)の場合
エピルビシン塩酸塩として60mg(力価)を30mLの日局生理食塩液に溶解し、1日1回3日間連日膀胱腔内に注入し4日間休薬する。これを1クールとし、通常2~4クール反復する。



となっているが、膀胱癌以外の疾患(急性白血病、悪性リンパ腫、乳癌、卵巣癌、胃癌、尿路上皮癌(膀胱癌、腎盂・尿管腫瘍)、肝癌)の場合の溶解液は、日局注射用水となっている。

ちなみに溶解後の浸透圧は、

・生理食塩液で溶解[2mg(力価)/mL] 約1(生理食塩液対比)
・注射用水で溶解[2mg(力価)/mL] 約0.1(生理食塩液対比)

となっており、注射用水での溶解は低浸透圧である。


さて、なぜ膀胱癌のときだけ生理食塩液で溶解し他疾患では注射用水なのか?

理由を考えてみてもわからないのでメーカーに聞いてみた。



次のような回答だった。

Q1.「なぜ膀胱癌の適応のときだけ生理食塩液で溶解するのか?」
A1.「膀胱癌で使用する場合は、薬液が膀胱内に比較的長く留まることから、低浸透圧液だと膀胱を刺激する可能性がある。このため承認申請時より生理食塩液で溶解するようにしている。」

Q2.「膀胱癌の適応のときに注射用水で溶解して投与してはならないか?」
A2.上記のように、膀胱を刺激することが考えられるため注射用水での溶解は避けるべき。また、膀胱癌に対し注射用水と生理食塩液でそれぞれ溶解した薬液を使用して刺激性を比較したデータはない。

Q3.「膀胱癌以外の適応のときに生理食塩液で溶解して投与してよいか?」
A3.「承認申請時より注射用水で溶解しているため、注射用水でお願いする」

Q4.「注射用水で溶解した場合、浸透圧が0.1と低いが、溶血の心配はないか?」
A4.「静注後速やかに血液の浸透圧と同じになるため問題ない」


1、2、4は納得。


3は、おそらく生理食塩液で溶解したものを静注しても問題ないのだろうけど、

メーカーお決まりの杓子定規な回答なんだろう。


ところで、そもそも治験時から膀胱癌以外は注射用水で溶解していたのに何か理由があるのかな?

最初からすべて生理食塩液で溶解しておけばわかりやすかったと思うんだけど。
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