考える医者

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本日、研修医の症例発表会。今年からオープンになったので、医療スタッフ誰でも参加できる

ようになった。

この発表会は、一定の研修期間を終えた研修医が、記憶に残った症例を話し、

経験したこと、学んだこと、今後の自分の抱負などを述べるもの。

今回初めて出席してきたが、非常に面白かった。

研修医が、というよりも医者が何を考えて診断をし、治療しているのか?を感じとれた。


また、発表の中で、改めて考えさせられてしまった言葉。

それは、研修医の数名が発表を終わり、感想を述べるとき、

「いかに自分が何も考えていなかったかということを感じました」と言っていたこと。

そして、その言葉に対し座長の指導医が「○○は優秀だが、もっとじっくり詰めていくとよいのでは?」

「○○は、軽率。もっとまとめ上げなさい」などと酷評していた。

研修医の言葉、まさに今の自分にも当てはまるなぁと。


「知識があること」と「考えること」は全く違う次元

「知識」はまず第一に大事。知識がなければ、物事に対しての評価ができない。

簡単な例でいうと、

「ACE阻害薬服用で20~30%に空咳が出る」

という知識をもっていて初めて、空咳の症状が出現したとき『ACE阻害薬によるものの可能性』」

という評価をすることができるから。

だけど、これは自分の知っている情報を、ただただ示しただけであって、

決して考察したこととはいえない。


この場合、もし空咳がACE阻害薬によるものと仮定し、ARBが使えない患者だったらどうするか?

)ACE阻害薬を咳が出ても継続すべきか?
)減量・中止すべきか?
)他のACE-Iを試すか?
)咳止めでも試すか?
はたまた
)ACE阻害薬によるものではない可能性はないか?

患者の状態、薬物の必要性、副作用の程度などあらゆる側面を考慮して、

こんな考察がなされなければならないと思う。医者はここを常に考えている。



私の服薬管理指導記録を今思い出すと、

S)咳がでる
0)ACE-I ○○mg開始○○日目
A)ACE-Iによる咳の可能性
P)主治医報告。経過観察。

もちろんまともに考えていることもあるが、極端な話、こんな記録が多いんじゃないかと。

これじゃぁ「私は何も考えてません」といっているのと同じかも。

「経過観察」という用語自体、なんにでも使えて、それが適切な表現である場合だって

当然あるだろうが、「先生の治療・判断におまかせします」と言った意味で用いていることも

あると思う。

研修医の発表を聞いて、本編とはぜんぜん違うところに大事なものを感じてしまった。

「よく知っているね」 同僚・先輩から、こう褒められることもたまにある。

もちろんそういわれると嬉しいし、知識を増やすことに重きをおいていた自分がいるのも事実。

だけど、明日からスタイルを変えて、もう少し「考えて」いきたいと思う。
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この記事へのコメント
患者サンの状態を把握しているのは主に主治医で、薬剤師ではないというのが医師、薬剤師共に共通した考え。ここ最近は薬剤師の数を増やし、患者サン1人あたりの投薬時間も十分取れるようになったので、患者サンによっては医師よりも薬剤師の方が状態を把握していることもある。患者サンの体調もだが、日常生活スタイルも薬剤選択には重要・・・。知識も増やす必要があるし、話術も身に付けなければ・・・。口下手な私にはちょっと荷が重い。
2008/07/10(木) 10:58 | URL | HANA #-[ 編集]
知識も大事ですが、人間を相手にする仕事ですから、
コミュニケーション能力ってやはり大事ですよね。
2008/07/10(木) 21:42 | URL | cenosky #mSbSW7Ec[ 編集]
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